同世代の起業家/「儲ける」こと

trackBacks (0) givenComments (1) Nov 19, 2006

普段は、僕よりもずいぶん年配の経営者の方と交わることが多くて、同世代の起業家と話すことはあまりない。

昨日は何人かの同世代経営者と話をしてわりと刺激を受けた日だった。いろんな意味で。

おやつ時に原宿のMOGRAに行ってゆきなりと話をする。もぐら株式会社を立ち上げてもう半年以上経つようで、ずいぶん幅が広がってきてる感じがした。その分事業ドメインもこれからの構想も縦横無尽に拡大しそうな予感がする。彼の頭の中を覗いてみたい。カフェ業務やってたり、オナニーグッズを売ったり、SIGGと提携してボトルの販促(+MOGRAの宣伝)をしたり、ギャラリーを運営したり、、、。久しぶりにゆっくり(といっても小一時間)話して思ったことは、"win-win"の関係を構築するのが巧い、ということだ。それと同時に人間的なつながりを重んじてて、10年後のMOGRAの活動が楽しみになってくる。わりと狭いドメインでプロフェッショナルでありたいクレイテプスとはほぼ対極な組織だと感じた。

その後新宿で、ホワイトストーンの白石まりえ社長他何人かの起業家と会う。ホワイトストーンの事業ドメインも広くて、インターネットを核として、レンタルオフィスとかもやっている。白石さんは元派遣OLだったらしい。バイタリティあふれる方で、とても人望のある社長だとアルバイトの女性も言っていた。彼女の著書は何冊かあるけれど、ここではインターネットでの小遣い稼ぎが学べる一冊を紹介。

夜に帰宅すると、NHKで「お金を儲けることは悪いことですか?」というテーマの番組を放送していた。途中から観たから十分な説明はできないけれど、形式は、あるフリーターの視点から、今一線で活躍されている経営者や仕事人の方々に疑問を投げかけるというものだった。

インタビューに応じる方の中には、楽天三木谷社長、村上隆、山田洋次、などもいた。

大きなテーマというか、ジレンマは「お金のためには生きられない、けれど、お金がなければ生きていけない」というものだった。どちらも当たり前の話である。

「お金を儲けることは悪いことですか?」という問いに答える前に、まず僕が気になったことは「儲ける」という言葉の定義だった。「儲ける」ってどういう意味で使っているのか?ということだ。ここがズレると議論も相応に平行線になる。

インタビューの内容は、さすがにどの方の内容も納得いくものばかりだった。けれど、僕が物足りなく感じたのは、はたしてこれでフリーターは奮起するのか、ということだった。番組の構成として、最初にすべきことは「儲ける」の定義をフィックスすることだったのではないか。、、といっても途中から観たわけだから、もしかしてその定義をしていたかもしれないけれど、途中から観る限りはそれはなされていないようだった。それぞれの方々がそれぞれの定義で話されていたからだ。

村上隆さんがあの独特な口調で「そういう問いが出てくること自体がおかしい」と言っていたのが印象的だった。まさにそのとおりだと思う。

「儲ける」の定義を「あるものに費やしたリソース以上の評価を社会がしてくれること」とするならば、僕は「儲ける」ことは極めて正しいことだと思っている。それで社会は発展していくからだ。

たとえば車がない社会を想像してみる。駅から村落まで本を運ぶ仕事があったとする。傘をさしても、雨が降ると本は濡れてしまう。受け取った人は「雨が降ったなら仕方ない」と、時間をかけて乾かしたりする。そんな中、運び職人の一人が思い立ち、ビニールを仕入れ、雨の日はそれを本にかぶせて運び始める。ビニールの仕入れ値が単価20円、ビニールをかぶせる手間賃が単価5円。彼は既存の運び費用に加えて25円のリソースを投入したわけだ。それを村民に従来の費用プラス60円で売る時に、彼は35円の「儲け」を手にしたことになる。逆にいえば、村民、つまり社会は、彼の工夫と付加価値に対して35円の評価をすることを「受け入れた」わけである。それにより、本を乾かす手間もなくなり、雨の日に届いた書物も綺麗なまま保管できる。この付加価値35円が社会を発展させるはずである。僕はそう信じている。

そういう付加価値は、主に「発想」と「情報」と「技術」に発生するものだと思っている。

話は戻って、仮に「儲ける」の定義を「何かの隙をついて、誰の生活もより良くさせることなくお金を発生させること」とするならば、それは「悪」というか、とても「つまらないこと」だと思う。人間は社会的な生き物である。社会という壁に向かって投げたボールが返ってきてこそ、生きることを実感するはずだと僕は考えている。返ってきたボールがどんなものであれ、である。

匿名 at 21:34 on Oct 7, 2008

うさん臭っこいつ。