『男も知っておきたい骨盤の話』 by 寺門琢巳(幻冬舎新書)
trackBacks (0) givenComments (0) Dec 2, 2006
幻冬舎って新書出してたっけ、、、黄色のカバーの新書群を前にしてぽかんとしてしまった。そう、創刊したらしい。村上龍氏が「5分後の世界」を書いたのが、確か幻冬舎の立ち上げの時だったと思う。あれからまだ10年と少ししか経ってないのに、今では本当に立派な大手の出版社になっている。普通じゃ考えられない成長である。代表取締役の見城徹氏の情熱とその突進力にはとても感銘を受ける。
そんな幻冬舎が新書シリーズを創刊した。一挙に62点の新書が発刊されている。さしあたって買ってみたのがこのエントリーで紹介する「男も知っておきたい骨盤の話」。
「男も知っておきたい」というフレーズにつられてしまったのだけれど、さすがに幻冬舎、誰かに勧めたくなる本である。
著者の寺門琢巳氏は幼少の頃から「整体」というものに縁があったという。両親が、かの有名な野口晴哉氏の整体教室の会員だったらしい。その頃に整体のおもしろさ(奥深さ)に目覚め、長年整体治療にあたられている。著書も多くあり、今までは主に女性向けの本だったけれど、今回は初めて男性向けとして「骨盤本」を執筆された。
本書では、骨盤の働きのメカニズムが大変分かりやすい方法で説明されている。
じつは「骨盤」とは、尻を形成する三つの骨の総称である。中央にある逆三角形の仙骨、そして仙骨の左右にある二枚の腸骨で構成されている。
骨盤は一枚の板状の骨ではない。仙骨と腸骨は面と面が重なるようにして接していて、互いに滑るようにできている。それらが滑りあうことで、骨盤は開いたり閉じたりするのである。
さて、その骨盤の可動性が悪くなるとどうなるのか。詳しくは本書をじっくり読んでいただきたいけれど、簡単にまとめてみる。骨盤の開閉は交感神経と副交感神経の切り替えの役割を担っている。開けば副交感神経が優位になり、閉じれば交感神経が優位になる。朝起きると骨盤は閉じ、夜寝る時に開く。それでこそ日中は活発に行動でき、夜は深い睡眠を得る。そのバランスが崩れることを一般に自律神経失調症と呼ぶ。「バランス」とは両神経の切り替えのことであり、すなわちそれは骨盤のスムーズな開閉を意味する。
また、本書後半では、肩甲骨の開閉の重要性についても書かれている。
そして、端から上腕骨をぶら下げた肩甲骨プロテクターは、肋骨に上からぱかっとかぶさったようになっている。肋骨とも背骨とも接続されておらず、ただ肩甲骨の面と肋骨面が重なっているだけである。
この形状、何かに似ていないだろうか。そう、骨盤に似ているのだ。
筆者は肩甲骨を「上半身の骨盤」と捉えている。肩甲骨もまた「開閉」するのだ。骨盤と同じように、その「開閉」がスムーズにいかなければさまざまな不調が発生する。車や電車が発達したおかげで、現代の僕らは歩かなくなってきている。それによるインナーマッスルの衰えが、骨盤や肩甲骨の可動性を悪化させていると筆者は指摘する。
この本をおすすめする大きな理由の一つが、改善策も丁寧に教えてくれているという点である。それも一日ほんの数分でできそうなものばかり。もちろん、ほんの数分でも毎日欠かさず何かをやることはそう簡単なことではないけれど、好不調のブレのない溌剌とした毎日を送れることを引き合いに考えると、それくらい雀の涙ほどの労力である。
他にも非常に興味深い点がある。「ハラ」のことだ。これについては「肉体」と「精神」のつながりについて別のエントリーでじっくり書くとする。
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