『プロの論理力!』荒井裕樹 〜野心と論理と生きること
trackBacks (1) givenComments (2) Feb 17, 2007
「同世代のライバルは?」と自分の問う時にいつも頭に浮かぶ人がいる。ここで紹介する本の著者である荒井裕樹弁護士である。たしか歳は僕よりも一つ上くらいで、同世代というか、ほとんど「同級生」だ。荒井弁護士は、青色発光ダイオード中村裁判の主任弁護士でよく知られている升永英俊弁護士の元で弁護士キャリアをスタートさせ、その異能をいかんなく発揮させ、28歳で年収一億円を実現させたとのことだ。
もちろん収入だけが問題ではないけれど、その(弁護士としても)並外れた収入が何かを語っていることは想像に難くない。事実、現実に対峙することにおける彼の姿勢は極めてエレガントである。先日の「情熱大陸」の放送での「動く」彼を観ても思ったことだけれど、この本にもそのエレガンスのエッセンスがぎゅうっと詰まっている。テーマは論理力。己の二本の足で立ち、己の二本の腕で社会に立ち向かおうとしているあなたにとっては、10冊買っても元がとれる一冊である。1300円は安すぎる。
アンパイな人生と野心のある生活
荒井弁護士は「平均点では納得したくない」と言う。弁護士の仕事でも、「大方結果が見えている」案件も相当数あるらしい。その仕事が楽であることはないと思うけれど、いわゆるアンパイな案件だ。それはアンパイだけにどんな弁護士が担当してもさほど結果が左右されるものでもなく、その分「評価」としての収入は高くない。それをこなすことで個人としての弁護士の評価が上がるわけでもない。ただただ、「食いつなぐ」ことを可能とする。
荒井弁護士はその手の「守り」の仕事には大きな魅力を感じていない。(「不必要」だとは言っていないけれど。)もっとチャレンジングなものに惹かれている。「攻め」の仕事であり、自分自身に対してファイティングポーズをとることである。それは言葉を換えれば「野心」と呼ぶことができる。口で言うととてもかっこ良いし、「野心的でありたい」人は大勢いると思うけれど、現実にはそうはいかない。
野心的で、その精神に沿った選択をすることには、一般に極めて大きなリスクが共存するからだ。そのリスクは、「時間のロス」かもしれないし「収益のロス」かもしれない。職業や場合によっては自分の身を危険に晒すこともある。そのようなリスクをTakeしてでも勝負に挑もうとすることがリアルな野心なのだと思う。そして彼は、そんなリアルな野心をいつも拳に握りしめている。
(前略..)誰がやっても結果が同じ仕事では、自分の「個人の力」を評価してもらうチャンスにはならない。
つまりは、リスクがあるところにチャンスがあると思えるベンチャーマインドを持っているわけである。実際、虎穴に潜らなければ虎の子は捕獲できないわけだし、虎の穴には虎の子というチャンスが潜んでいるわけだ。
コントローラブルとアンコントローラブル
わりと強く感銘を受けた箇所の一つは以下の部分である。
コントロールできない要素をコントロールしようとすると、どこかで必ず思い通りにならない問題が生じて、結果的には自分の論理を破綻させる要因になりかねない。
自分自身で変えれることと、変えれないことの区別をきちんとつける。そして変えれること、コントロールできることに全集中を注ぐ、ということだ。これは、分かっていててもわりと無意識に集中力を散乱させてしまうことが多い(僕の場合は特に)。また、きっちりその区別をつけれる冷静な目も必要であろう。昔に読んだある牧師の祈りの言葉を思い出した。
私に与えたまえ
変えられるものを変えていける強さと
変えられないものを受け入れる心の静けさと
それがどちらかを見極める賢さを
神よ、私に与えたまえ
論理の力
そして本題である「論理力」。これについては、こんなブログでネタを明かすことは気がひけるから、すぐにでも買って読んでみてほしい。強靭な論理を見いだすことがどれほどの労力を必要とし、またどれだけクリエイティブで生産的であるかを、本書は強く伝えてくれる。一点特筆したいところは、
ここで私が言いたいことは、「論理、論理」と言っていても、決して理屈で物事すべてを解決しようとしているわけではないということだ。
この部分である。理屈で解決できないゾーンもあるという認識を持つということだ。そして元に戻すと、理屈が導線をひっぱってくれる部分とそうでないゾーンとをしっかり区別することから、「論理力」はスタートっするわけである。つまりは上で述べた「コントローラブル」と「アンコントローラブル」のことだ。
ロジカルに人生を考えてみる
本書最後で、筆者は「人生をどう生きるか」という命題について論理的考察を加えている。「人生に◯◯がないことは苦痛である」と書く。さて、何がないと苦痛なのだろうか。あなたの目で確かめてほしい。それはあなたにも僕にも、もちろん一億円プレーヤーの荒井弁護士にも、不可欠でそして本質的なものであるだろうから。
そういうのがいいな、わたしは。(読書日記):『プロの論理力!』荒井裕樹 を読んで at 23:19 on Mar 20, 2008
プロの論理力! (祥伝社)トップ弁護士に学ぶ、相手を納得させる技術荒井裕樹 内容紹介 青色発光ダイオード中村裁判などに携わり、28歳で年収1億を実現 「論...
Ko:ki at 06:01 on Feb 17, 2007
面白そうな本ですね。
本当に論理力があれば、物事のコントロールの可否も分かっているはずですからね。
僕も読んでみます。
それと、昨日はとっても楽しかったです。
ありがとうございました^^
テレビヘッドさんのお話に大いにわくわくさせられました。またお話したいですね。
メールします@
K at 12:15 on Feb 17, 2007
■ Ko:kiさん
昨日は、興味深いお話たくさん聞かせていただいてありがとうございます。また、WEBの話、しましょうね。
大阪に行く際は連絡します。
この本もおもしろいので、是非読んでみてください。昨日紹介していただいた三冊の本、すべて帰りの新幹線で読んでしまいました。なるほどー、と思うところが多かったです。ありがとうございます。




